私の出身地は千葉県松戸市で、新京成電鉄を日常的な足としていました。松戸に引っ越した昭和48年当時、新京成線を走っていた車両は、当時最新鋭の800型のほかは、吊り掛け駆動のいわゆる旧型車が大勢を占めていました。
今でこそ新京成は東証1部上場企業ではありますが、昭和46年登場の800型がデビューするまでは、親会社である京成電鉄のお下がりの車両ばかりで、高校時代の通学ではかなりの確率でこの旧型車を利用する日々を送っていました。
モデルアイコンの京成青電フレキシブルキット
この製品は、2017年に発売されたキット製品で、GM社の板状キットと同じく板状の車体を箱型に組み立てるタイプのキットです。
この「青電」ですが、京成のレトロカラーで、「青」とはいっても現代のスカイライナーのような鮮やかな青ではなく、青みがかったグレーをベースカラーとして、窓周りにこれまた緑がかったグレーの帯を配置した地味な塗装が施された電車でした。私が幼少の頃は、京成にも「青電」がかなり多数走っており、祖母に連れられて「お出かけ」でこの電車を利用していたので思い入れがあるといえばあるのですが。

私は発売当初からこの製品の存在を知っていましたが、聞いたことのないメーカーであることや、何せ完成品でもないのに2両セットで実売価格3,500円程度と、Nゲージとしてはありえない価格だったので当時はスルーしていました。
このキットで新京成旧型車が再現できる!
私はたまに通販サイトのホビーサーチを見て模型に関する情報収集しています。ここのサイトは、商品カテゴリーごとに「予約品」「新製品」「再入荷」のタブに分かれています。この「再入荷」のタブに表示される製品は、新製品で一旦完売になってしまったものが再入荷したときに表示されるほか、かなり以前に発売された製品が、ある日突然に「ぽんっ」と表示されることもあります。
ある日、いつものようにホビーサーチの「再入荷」ページを見ていると、例の「青電キット」が再入荷しているではありませんか。ここのサイトは、製品のパッケージや外観だけでなく、セット商品に含まれている全車両の画像や、取説の画像も見ることができます。
そこで何気なくこの「青電キット」の取説を見ていると、このセットで何と新京成の旧型車(200形)が再現できるというではありませんか。これは検討の余地があるというものです。

購入を決めるも失敗
商品ページは一旦とりあえずサイトの「お気に入り」に入れておいて、売り切れの不安と戦いつつも数日間クールダウンして考えてみることにしました。これまでは、主に完成品のグレードアップを主体にしてきましたが、一生に一度くらい、たとえ10年くらいかけても古き良き(?)時代の新京成を本気で再現してみるのも良いかな、と思い購入を決めました。
ふたたびホビーサーチの商品ページを見てみると、まだ売り切れにはなっていないようです。2両セットで6両を再現するとなると、数量は3。そこで購入数量を「3」と入力しようとすると、数字のドロップダウンが「1」のまま頑として動きません。まさか、と思い説明をよく見てみると、「 ★こちらの商品は一世帯(同一住所)1点までとなります」との記載。あらら、たった2両では役に立たないではありませんか。
ヤフオクで商品ゲット
次なる調達先はYahoo!オークションです。Nゲージのカテゴリで「青電」と検索すると、あっけなく見つかりました。計画では、ホビーサーチで「基本セット」と「バリエーションセット」を各1点調達。残りの2両をヤフオクで調達する作戦としました。そうとなれば6両を再現するには、この「残りの2両」が鍵を握ります。
商品ページに目を通し、出品者の評価もチェックし購入を決断。すると、何と9点(ヤフオクの同時出品最大数)も出品されているではないですか。出品価格もホビーサーチと同レベル。3セットで1万超えとなりますが、文字通り「一生に一度」のつもりで購入を決定し落札しました。
商品が届いてみると、伝票の発送者欄には「モデルアイコン」の文字が。どうやら出品者さんはメーカーさんだったようです。
これで準備はOK。しかし、GM社のキットもそうですが、この手のキットには詳細な組み立て説明書はありません。よって、編成各車両の個々の仕様は自分で調べる覚悟が必要になります。
かつて毎日のように利用していたとはいえ、個々の車両については案外記憶があいまいなものです。車内に足を踏み入れた瞬間に感じた油臭いにおいや、ものすごい勢いで閉まる片開きのドアなどは記憶の片隅にあるのですが。
もっとも現在では、新京成の旧型車を扱った個人サイトも多数あり、ずいぶん便利になったものです。時間はかかりそうですが、まずは情報収集からのスタートです。