買うべきか、買わざるべきか、それが問題だ。(KATO 寝台特急「富士」の場合)

列島宝物館(http://www.i-treasury.net/)」より引用

はじめに

 鉄道模型メーカーのKATOから、約10年ぶりに24系25形客車「富士」の再販が発表されました。今回のテーマは「果たして買うべきか買わざるべきか」の考察とヒントです。(製品写真は本ページ最後に掲載しています)

「いつでも」買えたNゲージ

 Nゲージ鉄道模型はその昔、発売されていた車種も多くなかったためか単品販売が主流でカタログに掲載された製品は、模型店の店頭でいつでも買うことができました。

 それが、いつからかセット販売が主流となり、簡単にポケットマネーで購入できるほど気楽に買えるものではなくなりました。

 本来ならば店頭で実際の製品を確認したうえで、十分納得してから購入するかどうかの判断ができればそれが一番良いのですが、予約販売の普及とも相まって、試作品すら目にすることもできないうちに購入の判断を迫られる時代となってしまったのです。

「いつでも」買えなくなったNゲージ

 さらに、セット販売が主流となると同時に、メーカーの生産体制も常時生産体制(在庫を切らさないように生産する体制)からロット生産体制(数年に一度、ある時期にだけ特定の製品を生産する体制)へと変わり「模型店へ行けばいつでも買える」ということはなくなってしまいました。

 それならば多めに製品を作ってくれればよいのですが、セット販売で製品単価も上がり、小売店側にも「余分な在庫を抱えたくない」という事情もあるのか、1回のロットで生産される製品数は最低限に抑えられているようです。

 このため超人気商品でなくとも発売日からほどなくして「完売」となるケースが多くみられます。

予約の有無が結果を左右することも

 そのため、もたもたしていると早々に予約締切となる場合もあり、最悪のケースとしては発売日の段階で「予約分で完売」ということが起こる製品もあります。

 これはつまり、買うべきか買わざるべきか、それを早いうちに決断することが求められる時代となってしまったことを意味します。

 あなたも「これは結構値が張るなぁ、もう少し考えたいけれど、いつ予約締切になるか不安で仕方ないよ。」と頭を抱えたことはありませんか?

今回の悩み

 Nゲージ鉄道模型メーカーのKATOから24系25型客車「富士(基本セット・増結セット)」の再販が発表されました。

 KATOからは昭和の時代から24系25型客車が発売されていましたが、約10年前にフルリニューアルされて以来の再販となります。

 再販予定は2022年5月です。さて、これを買うべきか買わざるべきか。

製品の特長

24系25形客車のオリジナルスタイルを再現

 今回KATOから約10年ぶりに再販される24系25型客車「富士」は、使用車両が24系25型客車100番台に置き換えられ、食堂車が付属編成側に移った昭和53年頃、すなわち当時のブルートレインブーム真っ盛りの中、最新鋭の車両だった頃の姿が再現されています。

 これは新製当時の状態、特にHゴム(Hゴム:窓ガラスを固定するためのゴムパッキンで窓を縁取るように見えるものです。現在では黒色が一般的。)がグレー表現、B寝台車の洗面所の小窓が埋められておらず、電源車(発電・荷物車)はカニ24形の屋上廃熱ファンが4基の原型が保たれたものです。

 当時に関していえば「はやぶさ」も同一編成を使用していました。なお、その後同じくKATOから発売された「はやぶさ」セットはJR化後の姿がモチーフになっており、カニ24型の後方側面にでかでかと「JR」ロゴが描かれたものです。

 基本セットには西鹿児島側の7両が含まれています。実際にはこの7両が終点西鹿児島まで走っていました。

 したがって編成分割が行われる大分駅から先の姿を再現するならばこの基本セットがあれば十分ということになります。

  一方、増結セットは西鹿児島側から数えて8両目から14両目が含まれています。

 この後方7両は途中の大分駅で解結されて置き去りになる運命の部分ですので、東京~大分間の姿を再現する場合は増結セットが必要となります。

 全編成を揃えると総勢14両、その額は定価ベースで30,030円となります。

この製品の立ち位置

「ブルートレイン用客車、24系25形100番台車が最新鋭だった時代の再現」

買うべきか、買わざるべきか

 Nゲージ界の24系25型客車は主にKATOとTOMIXが製品のレベルを競い合っています。その優劣は各個人の判断となりますが、個人的には一時的にTOMIX製が優勢だった(特に車長と色味)ものの、KATOの現行製品に軍配が上がるのではと考えています。

 全体的に精密感が高いこと、特に屋根上の多数のパネルが表現されている点が24系25型客車の特長をよく捉えています。昭和時代のKATO製品にあった「あれ?なんか顔が違う。」といった点も完全に払しょくされ、実車の特徴をよく捉えており、精密さ、全体のバランスからも、Nゲージとしてはこれ以上の完成度は望みようがないと言えるレベルに達していると言えます。

 ヤフオクを見ていると、基本+増結セットで4万円近くの高額で出品されているケースもあるので、定価ベースで約3万円で新品が安定的に入手できるとなれば、これはひとつのチャンスかもしれません。

今、買っておきたい理由

  • 小学生の頃ブルートレインブームに熱くなり、当時の光景が脳裏にすぐ浮かぶ
  • 24系25形客車が好きでコレクション的に新製時の車種を一気に集めたい
  • 次回の再販が約10年後にあるかどうか?ということが不確定要素なので、今のうちにコレクションを充実させたい
  • ヤフオク等での高値での出品で今まで手を出せなかった
  • 鹿児島、宮崎地方に思い入れがある
  • 当時の「富士」に乗車した思い出が忘れられない

慎重に検討したほうが良い場合

  • 国鉄時代を記憶していないか知らないため懐かしさを感じない
  • 最新型や、実物の現在の姿が正確に再現されているほうが好き
  • 単調な編成(同じ車両が地味に何両も続く編成)が苦手

ちなみに私の場合は前者の1番目と2番目に該当するので追い切って「買い」で決定です。

24系25形 寝台特急「富士」 7両基本セット (基本・7両セット) の販売状況を見に行く 24系25形 寝台特急「富士」 7両増結セット (増結・7両セット) の販売状況を見に行く

模型通販サイト「ホビーサーチ」とは

 1999.co.jpのURLのとおり、私が知る限り最古の模型専門サイトです。

 その特徴は、品揃えもさることながら、検索後の各商品ページに詳細な写真が網羅されていることです(試作品もない場合は実車写真とメーカー提供の画像のみ)。その特徴が最も分かりやすいのがプラモデルのページで、パッケージ内に入っているすべての部品・ランナーや組立て説明書のほぼ全ページが画像として掲載されていることです。

 Nゲージの商品ページでは、セット内に含まれる全車両が線路に乗せられた状態で独自に撮影されており、通販サイトとしては事前検討が十分できることです(試作品以上のものが存在する場合のみ。この場合も発売日当日中には詳細な独自撮影写真に差し替えられます。)。

 送料は998円(ヤマト運輸)または550円(佐川急便)、部品など一部の小型商品ではより安価なゆうパケットが利用できる場合もあります。1回の発送が18,000円以上の注文では送料が無料となります。


 重要な注意点は「支払方法によって価格が変わること」です。前払い現金系(ペイジーや代引、コンビニ払い等)では家電量販店よりも安く設定されていることが多く、後払い系(クレジットカード等)ではあまりお買い得感は感じられない価格設定となっています。私はこれらを駆使して製品の価格帯等で家電量販店とうまく使い分けをしています。

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