番外編 今回の展示品はフジミ「札幌時計台」です。

正面よりライトアップ

鉄道模型のスキルを高めていくと、それを様々な分野へ応用することができます。

Many technics and skills on model railroads are applicable in any other scenes. This is the Clock Tower, which is one of the most famous spots in Sapporo City.

全景

 今回の展示品は、フジミ模型から発売されている「札幌時計台」です。プラモデルとしてはとても簡素なものです。現行製品では時計文字盤や窓桟のシールが付属しているようですが、この製品では、組立説明書の一部に窓や時計文字盤表現が印刷されており、なんとそれを切り取って貼り付けるというものでした。

 鉄道模型宝石化計画としては、そんな手にまんまとはまるわけにはいきません。まずはネットから様々な画像を集めて実物の色調を検証。このやや暖かみを強調したアイボリー色は、今回のための特別調色によるものです。屋根の色は意外にも赤13号(いわゆる「国鉄交直流色」)がしっくりくる印象でしたので、艶消し処理を施したうえで吹き付け塗装しています。

 また、このキットの標準仕様である「柵」は実際には無いことも分かり、代わりに樹木を植えています。イメージとしては秋ですが、そういえば札幌市に紅葉する樹木なんてあるのでしょうか(夏にしか行ったことがないもので)。この樹木はKATO製の品番24-075「広葉樹(6本入り)」を採用。樹木の場合、それ自体の縮尺(スケール)よりも「高さ」の方が全体の印象に与える影響が大きいので、スケールにはあまりこだわる必要はなさそうです。

正面部分アップ

 そして、今回の特別仕様が「ライトアップ」です。これはTOMYTEC(トミーテック)の「電飾キットC3 (白色LED) ~ライトアップ用照明~ (白色水銀灯の色)」の応用。時計部に向けた光が樹木を下からも照らし出し、立体感が強調されています。

 窓部表現は組立説明書をスキャンしたものをCADソフトでトレースしなおして、市販の「ステッカー製作用紙」に印刷。それをプラ板に貼付け使用しています。

 ライトアップされた「時計版」はキット付属もの(例の組立説明書)は実物とはデザインも異なっていたので、ネット写真を拝借。縮小の上印刷しなおしたものを使用しています。

時計台部分拡大

 部品同士の合い具合もイマイチでしたが、そこは模型車両制作のテクニックを駆使してすり合わせも完璧に。

 さて、このように鉄道模型テクをマスターすると、いろいろな場面で応用が利くという例でした。その他にも、折れてしまった洗濯物干し用角ハンガーの修理(最適な接着剤の選択、補強材の埋め込みなど)で、家庭でも重宝されています。

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