今回の展示品は KATO 10-177 251系 “スーパービュー踊り子” より、クロ250-1です。
この車両は、伊豆急下田側1号車となる2階建グリーン車で、前方には展望席が、階下にはラウンジスペースが設けられています。
分解がとても難しい車両
サイド・ビューです。この車両は、私が経験した中でも最も分解が難しい車両のひとつでした。車両のクリアコーティングをするためには、車両を完全に分解する必要があるのです。
この車両の分解方法は、まず車体後側の貫通ホロを外し、後方から車両全体を微妙にねじり、車体中央のホワイトラインがある部分を境に車体を上下に分解する必要があります。
この車両は、通常のように床板と屋根を外せるタイプではなく、何と車体自体が上下にパックリと割れる構造になっています。
そして後方から上部車体を持ち上げ、最後に先頭部が90°近くまで折り曲がるようにしてライトレンズを上部車体から外すという工程になります。初心者の方には分解を絶対お勧めできない構造です。
1階部床板が粉砕
さらに困ったことに、1階部のグレー成型の床板パーツが、分解のさなかから、まるで煎餅のように粉砕するという事態が発生してしまいました。経年劣化のためと思われますが、そのおかげでパズルを組み合わせるように破片どおしを接着し直すという、根気のいる作業を経ることになりました。
そんな苦難を乗り越えて再生した車両です。
室内等をLEDに交換
このセットは、特殊な構造のためか、あらかじめ室内灯が装備されています。古い製品ですので光源は電球ですが、この機会にLEDに交換してみることにしました。薄明りの中のライティングをご堪能ください。
複雑な座席モケット
さて、上の2つの画像で座席の色が違うのが分かりますでしょうか。この車両、というかこの列車は、ざっくり言ってしまえば、車両ごと、左右ごとに座席の色が異なるのです。この車両ではさらに展望席がまた違った座席色をしています。
私は基本的には、Nゲージレベルでは車内の雰囲気が出ればよいと考えているので、車内色については以前の記事に書いたように、その車内を最も印象付ける1色を選んで吹き付け塗装する、という方針をとってきました。
しかし、ここまでバラバラですと「印象付ける1色」などありません。また、特に中間車は窓が非常に大きいので室内がまる見えです。そこで当時の資料を探し出し入手した「鉄道ファン1990年6月号」を参考に、座席の塗装を行いました。
テールライトの点灯状態です。意外な部分にテールライトが仕込まれています。
今回使用した室内灯LEDはやや青みがかっており、通勤用車両としてはNGですが、リゾート用車両ならば案外雰囲気が出ているかなとは思います。しかし、グリーン車くらいは電球のまま残しておけばより雰囲気が出ていたかもしれません。
が、もう二度と分解する気にはなりません。
さて、いかがだったでしょうか。今後も「スーパービュー踊り子」が続きます。