今回の展示品は KATO 10-177 251系 スーパービュー踊り子、4号車のモハ251-101です。ハイデッカー型(高床式)普通車で、パンタグラフを1基備えています。
車両番号からもわかるとおり、この車両はモハ251形でも100番台に区分されています。
JR車両の場合、同じ形式でもマイナーチェンジが発生した場合は製造番号をいきなり100や1,000まで飛ばして区別できるようにし、それぞれ100番台や1,000番台などと呼ばれます。
この車両の場合「101」なので、100番台の仕様で1番目に製造された車両ということになります。
このように仕様の違いが分かるようにしておけば、特に整備現場や運行現場で普通の車両とは違う取扱いをしなければならないときに便利です。
モハ251形の100番台、これはどのような意味なのでしょうか。
100番台の意味は「連結器」の違い
“モハ251形100番台はモハ250側の連結器が密着式であることだけが他と異なっている。なお、その他は棒連結器としているので、4号車と5号車間のみで分割ができる”(「鉄道ファン」1990年6月号より引用)
へぇ~っ。実車が引退してしまったというのに、今まで知りませんでした。密着連結器というのは上の画像にもあるような、電車ではごく普通に一般的に使われている連結器です。
その他の車両は「棒連結器」、これは太い(直径15~20cm?)金属棒とボルト・ナットで車両間を固定する方法です。
これは私鉄車両の中間連結部に多く使用される連結方法ですが、その構造上、工場などの整備現場以外で車両を切り離したり連結したりすることは不可能なタイプのものです。
251系電車は棒連結器がデフォルトの連結方法だったのですね。これはJRではとても珍しいケースです(模型では再現されていませんが)。
逆側のサイド・ビューです。
この車両は記号が「モ」で始まることからわかるとおり、(実物は)電動車です。そのため台車内にはモーターが、床下にはモーターを制御するための装置類が備え付けられています。
“最高運転速度120km/h、伊東線および伊豆急行線で20‰こう配での起動を考慮して、205系、211系電車などに使しているMT61形主電動機を採用し、歯車比4.82とした。編成は6M4Tとし、界磁添加励磁制御で最弱め界磁率30%まで使用している。電力回生ブレーキは高速から30km/hまで使用可能である。” ( 「鉄道ファン」1990年 6月号より引用)
これで分かることは、この251系「スーパービュー・踊り子」は山手線の2世代前、「205系」と同じ技術世代の電車だったということです。現在ではVVVFインバータ制御という方法が一般的なのは有名な話です。
パンタグラフは、製品では金属むき出しの状態ですが、グレーで塗装しています。このタイプのパンタグラフは下枠交差型パンタグラフといい、設置面積が狭いところに使用できることが特徴ですが、「X」形のクロス部分があり、この部分が互いに擦れ合う場合があるので、塗装が剥げないように事前の下地処理がとても重要です。
さて、いかがだったでしょうか。次回も撮影が済み次第「スーパービュー踊り子」が続きます。