今回の展示品は、KATO 10-155「サロンエクスプレス東京」(7両セット)より、1号車となるスロフ14-701です。
「サロンエクスプレス東京」 はいわゆるバブル景気を前に当時の国鉄、とりわけ東京南鉄道管理局の需要に応える形で誕生した欧風客車で、団体専用または多客時の波動輸送に使用する目的で製造されました。
この「 サロンエクスプレス東京」 の成功とバブル景気の到来により全国各地に「ジョイフルトレイン」なる専用列車用客車が次々と誕生することになります。
もっとも、新車として製造されたものではなく、元はといえば優等列車の電車化により余り始めていた14系客車を改造したもので、この スロフ14-701 は「スハフ14-53」を国鉄大宮工場で改造したものです。
14系客車であった名残は、両展望車の連結面側に見ることができます。つまり元の車掌室はそのまま残され、便・洗面所のあった場所が新規製造の展望室と交換されたわけです。
車内は6名定員の個室をメインに4名定員の個室と展望室が設けられています。
この車両もクリアコートを行っているため、車体表面の艶がかなり強めになっています。また、 クリアコートにより色相の変化はないものの、色の深みが増しています。
撮影用照明の反射と白色室内灯の対比が幻想的な高級感を醸し出しています。このサイトのタイトルに「宝石」という言葉を使った理由が伝わりますでしょうか。
こちら側は通路となっています。ここで本領を発揮したアイテムがエヌ小屋(イメージングラボ浜松)の「通路壁面シート KATO サロンエクスプレス東京用 (KATO No.10-155対応) 」です。
残念ながら現在では「KATO サロンエクスプレス」自体の市場流通もない状態ですので、再販の見込みは低いかと思われます。
また、窓の両側からわずかに見えるのは エヌ小屋(イメージングラボ浜松)の 「カーテンパーツB (帯縛りカーテン/全開) グレー」です。これは「サロンエクスプレス」に限らず汎用性の高いアイテムです。この存在を知ってから、我が家でも手放せないアイテムとなりましたが、下記「販売状況」のとおり、実際に180日待たされたことがあります。
展望室と個室のソファは、GSIクレオスの水性ホビーカラーに、経験上最大限のフラットベース(艶消し剤)を混ぜ、布の質感を出しています。
展望室の塗装にあたっては、“座席はこきくちなし色の絨毛モケットを張った回転ラウンジチェアを両窓側に配置した”、“床はオリーブ色のじゅうたん敷きとした”(「鉄道ファン」1983年11月号より引用)に従い再現しました。
また、テールサインは白色LEDに(オリジナルは緑色)、カプラーはいわゆる「かもめナックル」に交換してあります。
この、昭和の匂いただよう車両は、お召列車の牽引機関車であるEF58-61との相性も抜群でした。
車端部展望室です。テールサインの文字が飛んでしまっていますが、この車両の特徴をよく捉えています。
さて、いかがだったでしょうか。次回も「サロンエクスプレス東京」が続きます。